
<日本シリーズ:日本ハム4−1中日>◇第5戦◇26日◇札幌ドーム
日本ハムが北海道移転3年目で44年ぶりの日本一に輝いた。先発のダルビッシュは4回に中日に先制を許したが、粘りのピッチングで8回途中まで1失点に抑えた。日本ハムは5回裏に金子の意表を突くスクイズで同点とし、6回主砲セギノールが右翼越えに2点本塁打を放ち逆転に成功。8回には稲葉が右翼へダメ押しソロ本塁打を放ち突き放した。
ダルビッシュ、岡島、マイケルの継投で中日に反撃を許さなかった。引退を表明している新庄は、最後の打席となる8回に泣きながらフルスイングし、三振に終わった。中日は8安打を放ったが要所を締められ、名古屋に戻ることができなかった。[ニッカンスポーツ][ニッカン式スコア]
日本一。
日本一?日本一。 日本一になったんだよね? 本当に? いやー、本当にここまで来ちゃいましたね。「44年振りという壁」を乗り越えて。どうやら「52年振り」よりは薄い壁だったようですw
しかし、落合じゃないけど日本シリーズって感じがしなかったのも確かにある。少なくとも札幌ドームの3試合は違う感じがした。じゃあ、どんな試合かといえば…
“北海道日本ハムファイターズ”の試合。 もちろん、どれを取っても楽な試合は一つも無かった。この試合も含めて、常にランナーを背負う厳しい、キツい試合の連続だった。いつ流れを持っていかれても、逆転されてもおかしくない、そんな試合ばかり。勝負は全て紙一重。ドラゴンズの強さがあるからこそ、これだけの試合になった。
ただ、4戦目もそうだったが、どこかシーズン中とは違う感じがドラゴンズにはあった。もちろん、それほどじっくり見ている訳ではないから、イメージ先行の部分があったとしても。
それに対してファイターズはいつも通り。特に8月以降の本拠地での強さそのままに、小技も大技もギャグも激しいプレーも全てがいつものファイターズ。レギュラーシーズン、プレーオフ、紅白戦、日本シリーズと北海道の熱狂をそのまま力に変えていった。残塁の多さも、拙攻も、淡白さも、?采配も、そんなとこまで全部含めて、いつもの見慣れた姿がそこにあった。
だから、日本シリーズというよりもファイターズの試合。
…そういえば、見ていて妙に安心感があったのも事実。過去、日本シリーズは2試合ほど見た事がある。特に思い入れを持たずに見た98年のライオンズvsベイスターズ。思い入れたっぷりに見た昨年のマリーンズvsタイガース。どちらの緊張感とも、敵意とも違う、不思議な安心感。
「ここで決めなきゃ」と思う反面、心のどこかで「きっと札幌ドームなら勝てる」「大丈夫、絶対負けない」なんて、そんな思いがあった。
きっと今季、何度もそんなシーンを見てきたからだろう。最終2連戦、プレーオフ。和巳を、和田を、杉内を。ダルが、八木が、セギが、稀哲が賢介が。
あれだけの死闘を制してきたこのチームが、あの時ガッツや稲葉がロクに活躍出来なかったのに勝てた事を思えば、絶対に負ける訳が無い、と。驕りでは無く、そんな自信がどこかにあった。私だけではなく、あの場にいた人々には、きっとそんな自信があったはずだ。
もちろん、その期待に応えたファイターズは強い。強かった。でも北海道の力をそれだけまともに受けたチームは、そりゃあ強いよ。だって視聴率52%だよ?最大瞬間73%だよ? マトモじゃないよw
さて、これでレギュラーシーズン優勝、リーグ優勝、日本一と三冠制覇を達成した訳だ。前後期制の頃に三冠達成したチームはあるはずだから史上初ではないだろうが、それにしたって素晴らしい記録。三度のビール掛けって良いよね。やっぱりこれからもこの形が良いな。
しかし、ホント、ここまで来るのは…早かったw
でも、駒大苫小牧が優勝しては次はファイターズと言われ、札幌アンビシャスが優勝しては次はファイターズと言われ、なかなか厳しい状況だった。今年の正月、アンビシャス古葉監督に「次はファイターズが優勝」なんて言われてもピンと来なかった。
ダルや八木はともかく、稲葉やセギがここまで打つとも思わなかったし、賢介なんて計算外。期待はしてたけどこんな活躍の仕方になるとは思っても見なかった。岡島だって開幕前はいなかったし、解説者の予想じゃないけど、こんな強いチームになるなんて思いもしなかった。優勝して欲しいとは思っていたけど、今年しかないとは思っていたけど、まさか本当に優勝出来るなんて。
ホント、有難い。選手に、球団に、ファンに感謝。
残すはアジア一。場所は東京ドーム。この札幌ドームの雰囲気でやらせてあげられないのは残念だけど、でも、古巣に凱旋するのは悪くない。
東京のファンに、晴れ姿を見せてあげてくれ。彼らがいたからこそ、今のファイターズがあるのだから。新庄はいないけど、その方が良いでしょう? 新庄は“北海道日本ハムファイターズ”の象徴。“東京ファイターズ”には不似合いだろうから。むしろ、これでレフトに田中幸雄が守ればその方がずっと良いはず。何せ田中幸雄こそ東京ファイターズの象徴だからね。
うん、そうだな…幸雄さんが先発出場して欲しいな。アジアシリーズでは。そしてアジア一。うん、それが良い。
でも、今は日本一が嬉しい。遂にここまで来たんだもの。本当に良かった。本当にありがとう。
…ああ、もう言葉にならないや。<散々書いたくせにw
さて、まだ試合の事も新庄の事も触れてませんねw
でも、時間が無いので写真をアップする頃に一緒に書きます。きっと月曜か火曜くらいに。でも、最後の言葉だけ書いておきます。【11/1 23:49追記】
お待たせしました、試合再開です。
さて、試合は川上vsダルと第一戦の再戦。ダルは先頭荒木のバットを折る、本当に緒戦と同じ立ち上がり。続く井端にヒットを許すも、福留を併殺に斬って取りまずまずの立ち上がり。
対する憲伸は先頭稀哲が三振するも賢介、ガッツの連打に稲葉四球といきなり二死満塁のピンチを招く。そこで迎えるは札幌ラストゲームの新庄。ここで打って勝てばMVPもほぼ決まりという、“持ってる男”にとって最高の舞台。
しかし結果は三振、憲伸が意地を見せ新庄に主役の座を渡さない。そして波に乗った憲伸は2,3,4回と完璧にファイターズ打線を封じていく。
ダルはといえば、2,3,4回と全て先頭打者を出す厳しい展開。それでも2,3回はなんとか抑えていたが、4回は制球を乱した事もあり二死満塁から荒木執念の内野安打により遂に先取点を許す。
こうなると調子を上げてきた憲伸相手はかなり厳しく、誰もの脳裏に名古屋決戦がチラついた5回裏、前日のTV中継でCMに出番を奪われた稲田が、かなり前に守っていた英智の目測を謝らせ頭上を越す二塁打を打ち意地を見せる。鶴岡が送り一死三塁。この先もう二度と訪れないかもしれないほどの絶好のチャンス。ここで迎える打者は第二戦で貴重なタイムリーを放った金子。その、3球目。

稲田がスタート、金子が外角低めに外れたボールに飛びつき転がす、憲伸がグラブトス、金子がチラ見、谷繁が素早く一塁送球…
同点!!! もう、この瞬間に半分くらいの人の脳裏には胴上げのイメージが浮かんできたはず。追いつけば絶対に負けない、最終戦以来焼き付けてきたイメージがここでも浮かんできた。ダルも5回以降は人が変わったように5,6,7回を抑えていく。


そして、そのイメージは現実となって現れる。6回裏、賢介がヒット、盗塁、ガッツ進塁打で再び巡って来た一死三塁のチャンス。今度迎えるは頼れる4番、セギノール。ボール、ボール、空振りの後の4球目、憲伸はインハイに自慢のカットボールを投じるが…
行った〜〜〜っ!!! もう、打った瞬間それと分かるホームラン。そう簡単に打てる球じゃない。でも、それが打ててしまう日本シリーズ、そして札幌の大舞台。もう、この瞬間に9割以上の人が勝利を確信したはず。このチームがここで負けるはずがない、と。
こうなると興味は新庄へと注がれていく。最後の打席が回る8回裏、その花道の為にもう1点、そう願いながら打席を見ると、新庄の前には稲葉がいた。出囃子が鳴り、そしてファンファーレ、揺れる札幌ドーム。
期待に応えた稲葉は粘った末に右中間へ完璧なホームラン。出来過ぎの結果。新庄のラスト舞台へ、完璧なお膳立て。そして大きな拍手と完成に迎えられ、新庄が打席へと向かっていく。




鳴り響くツヨシコール。別れを惜しむように、一瞬でも長く見たいと願うように、いつまでも続いていく。初球見逃しの後は見慣れた大きな大きなフルスイング。もう、球なんか見ちゃいない。
そして3球目、目一杯振ったバットが空を斬り、最後の打席が静かに幕を閉じる。うつむきながらベンチへ戻る新庄に、鳴り響く大きな拍手とありがとうの大歓声。こんなに惜しまれた最後の打席なんてなかなか見られない。もう、なにがなんでも負けられない。
最後の守備に就く新庄、涙が止まらない。それでもいつも通り、最後までいつも通り、スタンドにボールを投げ入れ、守備に就く。
マウンドには守護神・マイケル。いつも通り、気合の入った投球を見せる。元同僚・上田を右飛、谷繁を遊ゴロ、そして最後の打者、英智の代打アレックスの打球は左中間へ…
追う稀哲と新庄、最後は稀哲が取りゲームセット。
北海道日本ハムファイターズ日本一決定!!

まさか、本当にこの瞬間に立ち会えるとは。最終戦で1位を決めると信じて2週間前にチケットを買い、1位通過して2連勝でリーグ優勝を決めると信じてPOチケットを買い、そして札幌で日本一を決めると信じて4,5戦のチケットを買った。でも、本当にそれが全て叶うとは。
このチームを応援してきて本当に良かった。移転決定から5年、移転して3年、長いようで短かった。しかし、注目されてるとは言い難かった移転決定直後の主催試合、50人ほどしかレフトに応援がいなかった移転前年の巨人とのオープン戦、一塁側内野に空席が目立った移転初年度の開幕戦…なかなか思い通りに行かない現実がそこにあった。
ヒルマンが試合当日にもかかわらず札幌駅で一日駅長をやり、ガンちゃんが不振を省みず奔走し、誰も知らないと言われた選手達が各地のイベントを回り、営業が必死でチケットを売り…
そうやって球団全員が必死に努力したからこそ、この優勝があった。新庄だけではなく、全員の力があったから。そこに新庄という、抜群の看板が加わり、B☆Bというマスコットを得て知名度・注目度が一気にアップした。新庄一人では、絶対にここまでは来られなかった。
その新庄。獲得には最初、誰もが耳を疑った。新庄なんか要らない。所詮守備だけの選手、井出で十分。勧誘署名とは裏腹にそう思った人も多かったはずだ。稲葉にしても、若手がいる、坪井が、幸雄さんがいるから必要ない。そう言われて来た。しかし、結果は二人がいて本当に良かった。それもこれも球団がしっかりと先を見据え、動いてきたから。
新戦力も台頭した。性格的な問題から評判が落ちるダルをしっかりと育て、八木、W武田、マイケルとドラフトの戦略も光った。稀哲、賢介、鶴岡と熟成された若手も出てきた。サネと古城を出してでも、岡島を獲って来た。
急に強くなった訳じゃない。移転を視野に入れ始めた頃から、キッチリとここを見据え、動いてきた。それが実り、新庄のラストにようやく形となった。移転も含め、これは正真正銘球団の勝利だ。
そして新庄。新庄には本当に助けられた。入団会見、そしてあの2年前の夏。
「これからはパ・リーグです」 この言葉にどれだけ助けられた事か。
「この球場を一杯にしたい」
そう言い続け、そのためにパフォーマンスをやり、自分を通して若手をアピールし、球団の人気、認知に貢献してきた。先に新庄一人の力ではない、と書いたが、新庄抜きにはやはりこの結果は考えられなかった。
本当に感謝してもし尽くせない。北海道を去るのは寂しい。でも、またいつか帰って来てくれたら嬉しい。その時、ユニフォームを着ていなくても構わない。
いや、どっちかといえば着ないでくれw 最後に。新庄へのラストメッセージ。
ありがとう!新庄!
貴方の事は、一生忘れない。