プロ野球人気再興へ、各球団の秘策をキーマンが明かすオフ企画の第5回。地方都市進出、地域密着型経営で球界に一大革命を起こした北海道日本ハムファイターズ。2004年に移転後、5年間で数々の功績を築いた大社啓二オーナー(52)が、次の5年間の未来図を語った。
劇的な成功を収めた5年間だった。東京に見切りをつけ、活路を求め北海道へ。懸命な地域密着の努力で動員を伸ばし、チームも2度のリーグ優勝。地方から野球人気を再興する球団運営の先陣を切り、球界の救世主となった。
「『ファンサービス・ファースト』という信念を持って、色々な地域密着の努力をしてきた(※1)。さらに集客を高めれば、一般の経済に貢献できる。まだ球場に足を運んだことがない方々に来てもらうには、何が足りないのか。それを深掘りしていくのが、次の5年間の仕事でしょう」
移転6年目を迎え、大社オーナーは「平日の動員がカギ。札幌ドームに1度も来たことない人に、新たなファンになってもらわなくてはならない」と、まず札幌市民に広くアンケートを実施する。野球に興味がないという人に「なぜないのか」という所から聞くなど、徹底した市場調査を行いたいという。
そして近未来には、完全な“東京撤退”もありそうだ。「非常に難しい選択だが、交流戦のおかげで、東京のファイターズファンは主催試合でなくとも(首都圏で)観戦できる」。かつての拠点・東京ドームでは今季も8試合を行うが、これを減らしていき、道内の地方試合を増やしたい意向だ。
しかし、週末は集客力のある札幌で試合を組みたいのが必然。そこで今季、初めて旭川で平日にデーゲームを行う(8月18、19日、対楽天)。これが成功すれば、ナイター施設のない道内他球場への進出(※2)へ弾みがつきそうだ。
「動員を上げるには、北海道出身監督もインパクトがあるでしょう。でも、優先すべきは勝利。3年目の日本一で一気にファン層が広がったように、勝利こそが最大のファンサービス。5年間で2回もリーグチャンピオンになれたのはすごいことだが、この先『あれは何年前のことだった?』といわれないようにしたい」
大社オーナーは最後に、地域貢献でも公式戦でも“常勝”を目指すと表明した。
※1 移転後の地域密着策には「YOSAKOIソーラン祭り」など地元行事への参加やOB、北海道出身選手による野球教室、食事会、学校訪問、球団マスコットのイベント派遣などがある。
※2 今季公式戦を行う道内地方球場は、旭川スタルヒン球場(2試合)、函館オーシャンスタジアム(2)、釧路市民球場(1)、帯広の森野球場(1)の4球場。
大社 啓二(おおこそ・ひろじ)
1956(昭和31)年1月7日、香川県生まれ、52歳。日本ハム創業者で球団オーナーだった大社義規氏の長男で、中大卒後、80年に同社入社。05年に義規氏の死去(享年90)後、オーナーに就任する。Jリーグ・セレッソ大阪を運営する大阪サッカークラブの非常勤取締役でもある。
★影響力デカイ…Jよりプロ野球
大社オーナーはJリーグ・セレッソ大阪の非常勤取締役でもある。野球とサッカー双方の経営に携わるという立場から、「地域密着の理念はJリーグに学ぶものが本当に多くある。しかし、Jリーグの波及効果はクラブのある地域に限られており、社会的な影響力はプロ野球の方が大きい。スポーツ界のリーダーシップをとるのはプロ野球で、それに見合った行動を取るべきだと思う」と球界へ提言した。
[サンケイスポーツ]
「そして近未来には、完全な“東京撤退”もありそうだ。「非常に難しい選択だが、交流戦のおかげで、東京のファイターズファンは主催試合でなくとも(首都圏で)観戦できる」。かつての拠点・東京ドームでは今季も8試合を行うが、これを減らしていき、道内の地方試合を増やしたい意向だ。」
ここについて、早速反対意見が出ているようで。
まぁ、理屈抜きで反対する人の気持ちは分かります。
「理屈抜きで」と言う人ほど、球団の立場から見ればそれが選択肢の一つにある事を十分に理解しているから。
そう、反対するに理屈は要らない。というか、理屈では無理。
これは心情的な問題だから。
だから理解はする。
ただ、球団の立場で見た場合、やはりこれは選択肢の一つ。
別に完全に東京主催を無くす必要は無いが、減らすのは当然の選択肢。
道内における札幌ドーム以外の主催を増やそうとするならば、東京の試合数固定はナンセンスでしかない。
確かに出て行く時の約束事はあるのかもしれない。
しかし、いつまでも現本拠地を差し置いて旧本拠地に力を入れている訳にも行かない。
本音は、しがらみ抜きにその力を全て現本拠地に注ぎ込みたかったはずだ。
一念発起して移ったのだから、全力で足元を固めたいのが心情。そうなれば“東京”は足枷でしかない。
移転以来1日でも、職員一人でも多く北海道に注ぎ込みたかったのではないかと、私は考える。
転勤や転職をして、旧職場の事をいつまでも考える人間はどれだけいるだろうか?
そう考えれば、これはごく当たり前の話でしかない。
だから、理屈抜きの反対論しか受け付けるつもりは無いのである。
それでも、日本ハムはダイエーや西武の様に切り捨てずこだわった。
親会社が変わらなかったという理由や、住居の問題もあっただろうが、心情的なものも多分にあっただろう。
結果として、移転後も一気呵成の変革とまでは行かなかった。
もちろん、段階を踏んだ事は結果として間違いではなかったと言えるだろう。
ただ、この5年を経て、次の段階へ進む時期が来た。それは間違いない。
そうなれば、やはりこの問題は外せない。
東京の試合数を固定したまま道内の試合を振り分けるのではなく、札幌ドームの試合数を固定して他道内と東京を振り分ける。
この段階を踏む時期が、そろそろ来るのだ。
札幌ドームは紛れも無く本拠地。ならば、やはりここの試合の中心になるのが普通。
その上で東京を特別視するのではなく、函館や旭川、釧路、帯広などと同等に扱う。他の地域も加えられる環境があるのなら、そこも含めて。
この記事の話も、今すぐという訳ではないし、一気に減らすつもりも無いだろう。
ただ、8試合が6試合になる時期は、そう遠い話では無いと思う。
遠い将来的には3試合。それが自然な流れだろう。
そしてもしそうなった場合、その3試合を無くそうとは思わない。そこは流石に反対する。
ただ、そこまでは「それが本当にやりたい事なんだろうな」と思うだろう。
私が球団の人間なら、そうしたいと思うから。
ファームだって、理想は札幌圏外の道内にあるべきだと私は考える。
ただ、そこに辿り着く為にはかなり多くの課題、障害がある。
理想がそこにあったからといって、すぐに出来るともいつ出来るとも思う事は無い。
ただ、理想はそこにある、という事。
実際はかつて巨人がやっていた道内サーキットがベストでしょう。気候的にも。
しかしそれだって巨人並に買ってくれるスポンサーが必要。これだって簡単にいく訳じゃない。
だからそれが現実。でも、そこを目指して欲しい。
こういう事を書くと過敏かつ過剰に反対する人がいるけど、球団の立場で考えれば理想の一つには入ると思うんだけどね。
中には「道内は情報が多いんだから札幌圏外でも他の地域よりも幸せだ」なんて理屈をこねた人もいたけど、アホか馬鹿かと。
本拠地といっても道内の広さは半端じゃない。
その広い北海道を本拠地と構える以上、末端まで気を配るのは普通の事であり、生の試合を見せるのがその一番の方法であるのは当たり前。
実際にはそれでも見られない人はもちろん居る。でも、「そこでやっている」という事実は必要。
いつかは見に行ける、そんな状況を可能な限り作ってあげるのが本拠地に構える球団の使命。
それをたかがTVやラジオ番組程度で満足して貰っちゃ気が抜ける。
まぁ、球団は楽かもしれないけどね。
もちろん、これもあくまでも理想。
5年先10年先20年先に少しでも近づけたら良いね、って話。
過敏に反応する人達って、それが分かってないんだろうな。
反対する気持ちは分からなくは無いんだけど、それは果たして球団にとって良い方向なの?と。
ファンにとって、一番困るのは
「球団が無くなる事」
である。
ならば、球団が発展するためにはどうするべきなのか。どこへ向かうのが理想なのか。
その為にはどういう選択肢があるのか。それを実行する為には何が必要なのか。
それを少しでも考えれば、この話は普通にアリ。
それだけの話。