オリックス、ソフトバンクと前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)の契約問題で、プロ野球の根来泰周コミッショナー代行は27日、東京都内のコミッショナー事務局でパ・リーグの小池唯夫会長と会談した。その席上、根来代行は両球団から提出されている支配下選手登録申請を却下した上で、あらためてパウエルと契約合意した球団の登録申請を受け付けるよう指示した。小池会長が同意したため、パウエル本人が希望するソフトバンクへの入団が事実上決まった。
根来代行は「両球団と選手の問題点を追及するつもりはない。両方の申請を差し戻すとした方が収まりがいい」と理由を説明した。再申請があった場合は「通常の手続きで受け付けてほしい」と話しており、パウエルの3カ月の出場停止も撤回され、公式戦開幕からの出場が可能となる。
パは両球団に今回の決定を伝え、預かりとなっている登録申請書類を返送。小池会長は「批判は甘んじて受ける」と話した。
パはパウエルの契約について、1月30日に両球団の統一契約書を有効と判断。小池会長が2月4日にソフトバンクに契約の優先権があるとし、パウエルの選手登録を6月23日以降に受け付けるという勧告を出した。しかし、両球団はこれに反発し、オリックスが根来代行の裁定を求めて提訴していた。
◆根来泰周・プロ野球コミッショナー代行の話
開幕を控えて早期決着しないといけない。なかなか難しい問題もあるが、早く収束させるためには単純な理屈で考えた。外国人選手の契約方法については実行委員会で正式な議題にしたい。
◆小池唯夫パ・リーグ会長の話
いきなり強制力を伴った裁定では後々にしこりが残ると思い、会長として精いっぱいの勧告を出した。理解を得られなかったことについては残念。根来代行から示された方向でまとめていきたい。
◆ソフトバンク・竹内孝規球団最高執行責任者の話
実質的に私どもの主張をご理解いただいたものと理解している。パウエル投手本人及び代理人は、常に真摯(しんし)であり誠実な対応であった。彼らにも感謝したいと思う。
◆パウエルの日本における代理人・田代祐誠弁護士の話
こちらの主張がご理解いただけたことに感謝します。選手としては、1日も早くプレーしたいと望んでいますので、手続きが順調に進むことを希望します。
◆オリックス・コリンズ監督の話
自分のところに来ていない選手を戦力として想定していないし、心配はしていない。[サンケイスポーツ]
ソフトバンクの竹内球団最高執行責任者(COO)は27日、パウエル投手の契約問題で根来コミッショナー代行が示した解決策について「実質的に私どもの主張をご理解いただいたものと理解している」と満足そうに話した。
支配下選手登録申請は却下された形だが、竹内COOは「差し戻されたという理解。覚書(サイドレター)自体は無効になっていない。基になる契約書はある」と、既に交わされたパウエルとソフトバンクの契約は有効との見解を示した。パウエルの入団意思が明記された文書を添え、近日中に再度、登録申請を行う。
その登録と、調整が順調にいけば、開幕戦からでも出場できる。パウエルの日本での代理人を務める田代弁護士は「選手としては、1日も早くプレーしたいと望んでいますので、手続きが順調に進むことを希望します」とコメントした。[サンケイスポーツ]
オリックスの機谷俊夫球団代表は27日、根来泰周コミッショナー代行の指示でパウエル投手のソフトバンク入りが事実上決まったことを受け、大阪市内の球団事務所で記者会見し「もう一度契約した方を受理するというのは想定していなかった。不本意ながら、要請を受け入れることになると思う」と従う意向を示した。
機谷代表は「オープン戦も本格化している。この問題を長引かすのは良くないと考えている」と説明。「戦力とかというよりも、問題としているのは外国人選手との契約の在り方」と話し、先に合意に達していながらも入団に至らなかったことに終始困惑した表情だった。今後の詳しい対応については「早急に検討して、できるだけはやく結論を出したい」と話すにとどまった。[サンケイスポーツ]
まぁ、所詮はこの程度なんでしょう。不適格選手にする度胸も無く、ソフトバンクを押さえつける事さえ出来ない。いろいろな部分を天秤にかけて、オリックスにババ引かせとけば一番簡単に収まるだろ、ってな感じなのかね。
結局ロクな働きをしない根来、そして何の役にも立たない小池。今回の根来はある意味小池を助けた形か。小池の勧告を無視したオリには何も与えない、という様な。法律屋として法律だけを見て判断したと考えるべきなのかもしれないが、実際のところそこまで深くもあるまい。
ただ、ここまで考えはしなかったけど想定の範囲内ではあるかな。実行委員会で正式な議題にしたい、とあるけど、この程度に留めたって事は結局何の進展もしない結論が出そうだ。どうせ巨人やソフトバンクが反発して結論が出ない、って感じでね。この実行委員会とやらは多数決って論理は存在しないみたいだし。少なくとも今回のやり方を肯定した以上、抜本的な改革は無理だろう。何かちょっとした制限くらいは出来るかもしれないが、正式契約とはこれ、みたいなガイドラインが出来て終了とひとまず読んでおく。
少しでも期待した方がバカだったのかな。所詮は根来、プロ野球の未来なんてこれっぽっちも考えちゃいない人間だもの。見事な「権限の無さ」を今回も発揮してくれたって感じ。「あー、またか」の一言だよ。
これはもう、パウエルの肩に
小錦が乗るのを待つしかないかなw あ、パウエルの場合は膝だっけ。
そうなったら、腹の底から笑ってやる。ってか、笑いたいわ。
【23:27追記】
なんか凄い記事があったよ(;´Д`)
根来コミッショナー代行が示した解決策はソフトバンクの全面勝利となった。今回の騒動を生んだ原因は外国人選手の契約に明確なルールがなく、慣例慣行に頼っていたことにある。
オリックスと契約交渉をした経験を持つ米国の代理人は、今回も通常の手順を踏んでいた。だが、ソフトバンクは球団職員ではないブローカーとも称される人物を通じてパウエル側と交渉を続け、電撃的に契約合意にこぎつけた。
パ・リーグの対応も混乱に拍車をかけた。両球団の統一契約書を形式的な審査で両方有効と判断してしまった。本人の事情聴取はしたが電話で20分ほどの簡単なもの。その結論として出た勧告は、当事者の情に訴える身内意識の強い解決策だった。
コミッショナー事務局の関係者は「もしパウエルに米国で裁判を起こされたら負ける」と危機感を抱いていた。オリックスの提訴を受けた根来代行は両球団だけでなくブローカーと称される人物からも事情を聴くなど独自の調査をした。
根来代行は「裏のことは言わない。裁判所ではないので調べることもできない」と表に出ている部分だけで判断せざるを得なかったという。
国際化が進み、代理人など外部の人間が入り込むようになった今、身内の論理は通用しなくなった。球界全体で外国人選手の契約を考えなくてはいけない。[スポーツニッポン]
は、つまりはブローカーの行為を認めたって事だ。ここでもブローカーかよ。ドラフトの問題もそうだが、結局ここに何のメスも入れられないんだな。だから無能だってんだよ。コミッショナーの権限強化だのなんだの言ってるんなら、強引にでも実行してみろよ。動かない限り、権限なんて得られないんだから。
しかし、これで今回誰が一番悪いのかはハッキリした。やはりソフトバンクだ。
ブローカーの問題はドラフトでも散々問題になっている。にもかかわらず、そこに手を出した。交渉中で合意に達した選手に手を出した事も問題だが、選手獲得問題の中核であるブローカーに手を出した事が一番悪い。結局、「勝負事だから何をやっても良い」という勘違いがあるから、こんな行動になる。オーナーはたまに大きな風呂敷を広げるが、その風呂敷を実現する気が球団内に本気であるのなら、こんなブローカーなんかに手を出していては実現など遠のくばかりのはずだが、そうでもないところを見るとオーナーの意思など実現する気はどこにもないのだろう。
以前、江川事件を例に出してこの問題を語ったが、それは間違いだった。江川の方がよっぽど純粋に「巨人に入りたい」「巨人に入って欲しい」という気持ちが伝わっている。やり方こそ強引だが、金の臭いがそれほどする訳ではなかったのだから(当時どう思われたのかは分からないが、過去の状況を見る限り私はそう感じる)。しかし、今回は金の臭いしかしない。これで江川をなぞらえるのは江川に失礼ってものだ。
今後、実行委員会でどういう判断を出すのか。ブローカーが一枚噛むなら、かなり見物かもね。
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